Interview
取材動画
北海道札幌市 NPO法人フードバンクイコロさっぽろ【取組事例インタビュー】
〈NorthSDGsMediaでは北海道札幌市の企業様のSDGsに関する取り組み事例を紹介しています。〉
【SDGs取組事例】NPO法人フードバンクイコロさっぽろ【フードバンク】
企業や農家が商品として扱えなくなった商品を無償で引き取り、無償で必要なところに届けるフードバンク。
毎月多くの食品が集まるそうですが、その理由は様々。
フードバンクの仕組みも含めて、NPO法人フードバンクイコロさっぽろ代表理事の片岡様にお話を伺いました。
―活動内容を教えてください。
片岡:フードバンクという活動は、余剰した食品を無償で寄贈していただいて、無償で福祉施設や困窮世帯にお渡ししていく活動です。寄贈される食品の原因は色々あるんですが、外装・段ボールの破損ですとか、出荷期限が切れたもの、賞味期限は残っているけれども、もうスーパーに並ぶことのできない食品というのが集められてきます。
主な活動内容としましては、大体月に2t平均の食品が私たちのところに届けられるんですけども、それを約20か所の福祉施設の方達にマッチングしてお渡ししたりですとか、小包でパッキングをして個人世帯へお届けするという活動をしています。
食品提供していただく会社さんは年に1回だけのところもありますし、備蓄品の入れ替えの時に利用していただいたり、様々ですね。今、食品提供していただいている会社さんははだいたい30か所くらいですが、コロナの影響を受けてなくなってしまった店舗さんもありますね。
―お届け先の福祉施設はどうやって決められているんでしょうか?
片岡:実はお渡し先の厳選っていうのが欠かせないんです。2019年にフードバンク推進法ができて、国も推進しているので食品の渡し先で転売されるのが1番NGなんですよ。転売されてしまうとその仕組み自体が破綻してしまうので。絶対転売をしないでくださいっていうことの周知を徹底しています。どちらかというと、私の知り合いのさらに知り合いとか、人づてにちょっとずつ紹介してもらう形で信用できるところから支援を広げています。
―どんな食品が送られてきますか?
片岡:カップラーメンとか、防災食品のようなマジックライスなども届きますね。お菓子も来ますし、調味料もきますし、本当に多種多様なものが届きます。ジャガイモ・玉ねぎなどの農産品、お米、レトルトカレーも来ますし、本当にいろんなものがきます。卵とかも結構寄贈していただきますね。
―フードバンクの活動を始めたきっかけを教えてください。
片岡:私は十勝で生まれて、食品が周りでたくさん生産されたり加工されたりするところで12歳まで過ごしたんです。大人になって飲食店で働いた時に自らの手でかなりの食品ロスをしていたという経験がありまして、なんとかこの食品を有効活用していく道はないかなという想いが若い頃からありました。出産と結婚を経て、やっぱりこのままのペースで食品を捨てていくようなこの状態を子供達にずっと残していくのは、おそらく社会として難しくなっていくだろうな、どこかで破綻してくるだろうな、っていう想いがありました。フードロスが多い一方で、困窮している人たちもとても多いのでなんとかつなぐ活動をしたいと思ったのがきっかけです。
―常に掲げている理念はありますか?
片岡:私たちは食品をいただく立場ではあるんですけども、農産者の方、企業の方と一緒に社会活動しているという意識を持っています。フードバンクというと、ある意味ゴミ箱のような扱いを受けることがあるんです。焼却処分するか、フードバンクに届けるかということで。そうではなくて、一緒に社会活動をしていくという対等な形でパートナーシップを結んでいきたいという想いがあります。さらにお渡ししていく立場としても、お渡し先の方々と私たちは対等だという意識を忘れずに皆さんに尊厳を持って食品を届けたいと思っています。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
片岡:フードバンクに寄贈するのが特殊なことではなくて、食品を廃棄する前の当たり前の一つのルートとしてフードバンクに寄贈する社会になってほしいです。どうしても足が早くて腐ってしまうものもあると思うんですけど、まだまだ持ちそうなものに関しては、フードバンクに寄贈するのが普通だよね、っていう形を実現したいなと思っています。
フードバンクという一つの活動を通して、食品ロスに向き合うお話をお聞かせいただきました。
”常に対等な立場でパートナーシップを結んでいきたい”という想いがひしひしと伝わってくるお話でした。
食品を扱う企業のみなさま、NPO法人フードバンクイコロさっぽろ様とパートナーシップを結びませんか?
NPO法人フードバンクイコロさっぽろ
代表理事 片岡 有喜子
https://foodbank-ikorsapporo.themedia.jp/