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Interview

取材動画

神奈川県小田原市 Nama Gateau Au Chocolat【取組事例インタビュー】

〈NorthSDGsMediaでは北海道札幌市の企業様のSDGsに関する取り組み事例を紹介しています。〉

【SDGs取組事例】Nama Gateau Au Chocolat【製造・販売・飲食】

 

私たちに幸せなひと時を与えてくれるチョコレート。
しかし、カカオ農家さんには貧困問題などの「甘くない」現実があるのもまた事実です。
サステナブル・プログラム「カカオ・トレース」のチョコレートを100%使用した生ガトーショコラを製造・販売することで、カカオ生産者の貧困問題や児童労働問題を支援する柳下様にお話を伺いました。



ーNama Gateau Au Chocolatについて、またSDGs取組内容についてご紹介をお願いします。

柳下:私たちは、チョコレートを使ったガトーショコラというスイーツのオンライン販売をメインで行っています。

チョコレートの原料であるカカオを作っているカカオ農家さんは、貧困や児童労働の問題をたくさん抱えており、このような問題に対して何か取り組めないかということでカカオ・トレースというサステナブルプログラムに賛同し、スイーツを作るという形で支援を行っています。

このプログラムは簡単にいうと、売上の一部をカカオ農家さんに還元して、カカオ農家さんの生活を向上させようというものです。
単純に売り上げの一部を還元するのではなくて、そのプログラムのメンバーの方々がカカオ農家さんと一緒に現地でカカオ栽培の技術支援や製作過程の教育などを行って、ともに生活を良くしていこうというプログラムになっています。

私たちのようにプログラムとパートナーシップを結んだ店舗というのは、実際に現地に行ってカカオ農家さんに何か指導するといったことはありませんが、そこで生産されたカカオを使ってスイーツを作り、ユーザーの皆様の元に届けて、その売り上げの一部をカカオ農家さんに還元する、という取り組みを行っています。

Nama Gateau Au Chocolat_1

看板商品「幸せのガトーショコラ」

 

―SDGsの取り組みのきっかけを教えてください。

柳下:SDGsというよりは、一番最初は途上国問題に取り組みたいと思っていて、見方を変えるとそれはエシカルやサステナブルというところに密接に関わっていて、その後にSDGsというムーブメントが来た、といった流れでした。
SDGsのなかでいうと、特に「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」の目標に取り組んでいます。

 

―途上国支援をしたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

柳下:実は特別なことはあまりないんですよね。
学生のときに授業で恵まれない子どもたちの状況を知る授業があったり、テレビでそのような問題を取り上げた番組がやっているのを見て、「かわいそうだな」「何かしてあげたいな」と思ったことがある人って多いと思うんですよ。

私もそういうのを見て、社会人になったらいつかはそういうことに取り組みたいなという潜在的な想いの積み重なりがあって、途上国に支社を持っている会社に入社しました。
その会社の転勤でバングラデシュに行って実際に見てまわるなどして、自分が挑戦できそうかなって自問自答しながら取り組みを行う覚悟を決めた、という感じです。

他にも、以前友人とスーパー銭湯に行ったとき、露天風呂についているテレビでちょうどバングラデシュの特集のニュース番組がやっていて、子どもが厳しい環境で働いているところを見たんですよね。
画面の向こうではこんなに厳しい生活をしている人がたくさんいる一方で、それをサラリーマンがお湯に浸かってくつろぎながら見ているという光景に、改めて差がすごいなって感じました。その日を境にそういうことをやってみたいなって思いましたね。

Nama Gateau Au Chocolat_2

厳しい生活環境・労働環境に苦しむカカオ生産者


―途上国支援の形というと他にも色々とあると思いますが、このカカオ・トレースを選んだ理由は何ですか?

柳下:まず途上国問題に関わるとなったときに、どのような問題に対してどのようなアプローチ手法があるのか、またどのような製品・サービスをつくっていくかを考えました。
カカオに関する問題は元々私が一番関心があって、かつ身近に腕のあるシェフがいることや、カカオ・トレースというプログラムがあること自体も理由の一つですね。
このようなプログラムを使って製品をつくれば、自分みたいに大きな賞などの実績を持っていなくても、還元できるアイテムを作れると思ったのも理由です。

元々はマーケティング分野の仕事に携わっていたので、このような問題に携わるにあたっては、ビジネスとしてもサステナブルでないといけないと思いました。
ちゃんと製品として成り立って、その製品を販売できて、製品がユーザーさんに求められないと私の活動は継続していけないと。

このように、ちゃんとビジネスとしても成り立つことも踏まえてどのようなものがいいかを考えると、カカオ生産者の問題が未だにあって、かつそれをサポートするプログラムがあって、私たちがそのプログラムを主張することでユーザー様の何かしらのニーズを埋める価値を提案できるサービスを作れると思い、ガトーショコラを選択しました。

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カカオ・トレースの「ハッピーチョコレートサイクル」


―カカオ・トレースを通じて支援をしていくうえで、こうなりたい、こうなってほしいという想いがありましたら教えてください。

柳下:サステナブルプログラムって、チョコレートに限らずいろいろなものが存在していると思うんですよね。

私たちはカカオ・トレースを使ってこのようなチョコレートケーキを作って販売していますが、こうした取り組みを知ってもらうことで、中小企業の方や街のケーキ屋さんや喫茶店でも、「フェアトレードのコーヒーを使ってみよう」とか、もしくは「このようなプログラムに参加してもっとコミットしてみよう」とか、プログラムを使って何かサービスを作ろうという人が増えたらいいなって思いますね。

たとえば、スイーツ屋さんがプログラムに参加して既存の製品のなかからそのための製品を作って売り上げの一部を還元するというように、一部だけ取り組むことだってできますし、意外とSDGsの取り組みって誰でもできるなって思っています。

そういうところも私たちが活動することによってヒントになればと思いますね。

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Nama Gateau Au Chocolatで使用しているカカオ・トレース認証チョコレート「Belcolade (ベルコラーデ)」

個人的な話でいうと、今はカカオ・トレースというプログラムで取り組める範囲に限界を感じていたり、還元率に満足していないところもあるので、ゆくゆくはこのプログラムの拡張、もしくはオリジナルのプログラムをつくるなど、もっと現地でサポートできるような取り組みに挑戦していきたいと思います。

そうすることによって、カカオ農家さんも含め、さまざまな生産者さんが充実した生活を送れたらいいなと思いますね。

 

―企業でSDGsに取り組もうと思ったときに、どうしてもボランティアに留まってしまうケースも多いですよね。事業自体がサステナブルでないといけないというのはまさにその通りですよね。

柳下:一般の企業さんを見ていると、SDGsに取り組もうと思ってついつい新しいことを始めてしまいがちなところはありますよね。

それはそれで素晴らしいのは間違いないのですが、どちらかというと既存で取り組んでいることのなかから、たとえば原材料を見直してみるとか、販売の過程でエコなものを使ってみるとか、配送の方法を変えてみるとか、意外と自分たちの経済活動のなかでちょっとスイッチするだけで、それが過去よりもサステナブルやSDGsに着目した取り組みに変えられることって多いはずなんですよね。

まずは新しいことをするよりは、自分たちのしていることから変えていくことが一番いいのではないかと思いますね。

 

―SDGsはあくまでも手段であって、その先にどういう未来を描いているのかがすごく大事ですね。Nama Gateau Au Chocolat様の取り組みはそこがはっきりとしている印象です。

柳下:SDGsってすごくいいなって思うことがあって、私たちだと途上国問題、目標1と目標2に対して取り組んでいますが、SDGsの取り組みをしている色々なパートナー企業さんと話していると、「あぁ、海のゴミ問題はもうそんなにやばいんだ」とか、「自然的に分解されるのに時間がかかるからやっぱりプラスチックは良くないね」とか、違う問題も色々と知るきっかけになるんですよ。

たとえばうちの場合ですと、製品の梱包から配送まで一切プラスチックを使っていないんです。使っているパッケージも環境対応紙に切り替えて、もっと自然に優しいブランドにしていこうということにも気づけたので、そういう意味ではSDGsを知って挑戦するだけでもいいですし、続けているなかで新しく別の問題を知るきっかけになるのがすごくいいところですよね。

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環境対応紙を使用したパッケージ

※Instagramより引用

 

―SDGsって目標一つひとつが独立しているわけではなくて、紐づくことも結構あると思うんですよね。SDGsがこれだけ価値がある、広めていこうと言われる要因でもあるのかなって思いますね。

柳下:SDGsに取り組んでいるなかで知り合った、ゴミ拾いをしている女の子から色々なことを教えてもらったりとか、企業さんからこういう工夫をしていますよっていうことを聞いてうちでも取り入れてみたりとかして、すごくいいムーブメントですよね。

 


カカオ農家さんへの還元は金銭的なものだけでなく、小学校や自家発電設備等が完備された産院の建設、ソーラーパネルを備えた飲料水浄水施設を新設、カカオ生産者子息への奨学金や学用品の授与など、様々な形で還元されています。
カカオ農家さんの「生きる力」にも繋がる「幸せの生ガトーショコラ」は、下記HPよりご購入いただけます。

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Nama Gateau Au Chocolat
代表 柳下 龍介
神奈川県小田原市栄町3-14-16
MAIL:sales@namagateauauchocolat.com
URL:https://www.namagateauauchocolat.com/