Interview
取材動画
福岡県福岡市 一般社団法人みるみるプロジェクト【取組事例インタビュー】
鈴木:あとは、めがね専門店を通じた地域づくりですね。
あえてめがね“専門店”と言っているのは、最近安売りや均一プライスのめがね屋さんが多いからです。
我々の立場から言うと、医療で使うめがねが10,000円以下で作れるというのはあり得ないです。
当然国民が貧困化していますし、少しでも安い物を買うというのが一国民としては当たり前のことでもあります。だからこれは否定できません。
ですが、やっぱり多少金額が高くても、きちっとした技術を持った専門店で、きちっとした性能のものを買ってほしいというのが、眼科からも言われていることなんです。
たとえば、フィッティングといってめがねをお顔に合わせる技術があるのですが、子どもの顔に合わせるのって実は非常に難しいんです。
めがねが鼻にかかりにくいということもありますが、それだけでなく、縄跳びしても外れない、でんぐり返ししても外れないように合わせるのって大変なんです。
具体的な取組内容としては、みるみるSHOPという加盟店制度を推進しています。
店内に同じ看板を使用したコーナーをつくり、我々が持っている眼科的なノウハウや視能訓練士からのアドバイスなどをめがね屋さんにお届けしている、という取り組みです。
病院はまだ遠隔治療が発展していないので、地元にあるべきものですよね。
治療用のめがねはかけ続けることに意義がありますので、地元にあるべきものはめがね屋さんも一緒なんです。
医療そのものが地産地消ですよね。
―取り組み全体について、目的や想いを教えてください。
鈴木:保護者と眼科医、めがね専門店とメーカー、といったように、それぞれでの結びつきはありますが、すべての業種間で連携をして情報のやりとりをする、お互いに敬意を払い合って勉強会をするというのは、ほとんどありませんでした。
しかし、学校で勉強しているだけでは入ってくる情報量は多くありません。
そこで、我々としては、もっと良い仕事をするためには、とにかく“異業種の横断的連携が必要”、“どっちが上でも下でもない”、そういった連携を、このパートナーシップということで行っているというのが、みるみるプロジェクトの根本的なスピリッツだと私は思っております。
平良:やはりSDGsっていう言葉の前に、子どもの未来に対してみんなが色々な方面から関わってあげて、楽しく毎日を過ごさせてあげれたらいいなという想いから始まったものなので、これがみるみるプロジェクトの1番の“パートナーシップ”と言えるところではないかと思っています。
鈴木:この異業種の中には、今後保育士さんや学校関係者も入ってきます。
保育園にいる間はめがねをかけないように保育士さんから指示が出ることがあるのですが、これはやはり弱視についてよく知らないからですよね。そうすると治療に悪影響をもたらしてしまいます。
ですから我々は、そういった方々にも知識を届けなくてはいけないんです。
―今後の展望を教えてください。
鈴木:眼科医、視能訓練士、検査スタッフ、さらに今後はめがね屋さんや保育士も加えて、学会では聞けないような色々な世代の眼に関する教育コンテンツ、「みるみるセミナー」を始めています。
年齢、性別、経験、出身大学や勤務している病院に関わりなく、誰でもセミナーが利用できるような、そういうプラットフォームとして機能して、交流の場としてのセミナーやe-learning事業を進めていきたいと思っております。
出発はボランティアだったものの、徐々にSDGsと事業を統合し、地域とその子どもたちを支えているプロジェクト。
一つでも多くの知識を蓄えておくことで、子どもへより明るい未来を提供してあげることができるかもしれません。
一般社団法人みるみるプロジェクト
代表理事 鈴木 達朗
福岡県福岡市博多区博多駅東2-5-19 サンライフ第三ビル5階
MAIL:info@mirumirunet.com
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