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Interview

取材動画

北海道札幌市 株式会社オフィス鶴羽【取組事例インタビュー】

〈NorthSDGsMediaでは北海道札幌市の企業様のSDGsに関する取り組み事例を紹介しています。〉

【SDGs取組事例】株式会社オフィス鶴羽【教育】

子どもから大人まで、教育面に力を入れて活動されている鶴羽様。
なぜ地域によって子どもたちの運動能力に格差が生じているのか。
また、どのようにしてこの地域格差をなくしていくのか、お話を伺いました。


 

―まずは活動内容について教えてください。
鶴羽:会社の事業の大きな柱は2つあります。1つが、子どもたちに運動遊びの機会を増やしたいと始めた、運動遊びクラブの運営と、もう一つは研修の講師。
この研修は小学生、中学生、高校生に対してコミュニケーションやマナーを指導したり、商工会議所から依頼を受けて新入社員のビジネスマナー研修。もちろん企業単体で依頼をいただくものもあります。

なかでもNTTグループで行っている電話応対コンクール、これは電話応対のスキルを競うもので、予選から含めて1万人以上毎年参加しています。電話応対の甲子園のような大会で、私は最初の予選から含めて全国大会の審査員、初めて参加される企業の方への研修も含めて、長年携わっています。北海道全体の電話応対のスキルアップを目指し力を入れています。

 

ーそのような事業のなかで、SDGsにつながる活動内容について教えてください。
鶴羽:まずは総合型地域スポーツクラブの運動あそびクラブです。一つの種目ではなくていろんな運動をする教室ってあんまりないんですよね。習い事の場合は、指導者が指導する形で、一方通行的な感じなんですよね。そうじゃなくて、みんなで一緒に子どもたち同士の遊びを通して、さまざまな運動ができるっていう教室なんです。
内容はボール遊びだったり、鬼ごっこ、だるまさんがころんだ、体操、ドッヂボール、サッカー、バスケット、色んなスポーツをやってます。
北海道の陸上協会の副会長の方に来てもらって、運動会前に走り方の指導をやってもらったりとか、ドッヂボール協会の指導者から投げ方を教えてもらったり、ヨガの先生、バスケットとか、いろんな指導者の方に来てもらって、いろんな競技をやる面白さも体験してもらっています。

いろんなスポーツをすると使わない筋肉を使うでしょ。子どもたちの運動神経って、体を使うことと一緒に脳の神経系を発達させることがわかったので、そのためにやっぱりいろんなことをさせてあげないとダメなんだなと思ったんです。

 

ー活動のきっかけを教えてください。
鶴羽:小学校のPTA会長を4年やってたんですけど、習い事をしている子どもが多くて、放課後一緒に体を動かして遊ぶっていうことがないんですよね。公園に行くとみんな集まってゲームやってるの。なんか悲しくてね。
あとは児童館でホールで遊んでるときに廊下に座ってる子がいて、「どうしたの?」って聞いたら「ぼく、運動苦手なの」って。苦手なことってみんなやらないんだって思って。そういう子どもたちに体を動かす楽しみを教えながら、運動ができるようになったらみんな絶対楽しくなるから。そういうような機会をつくりたかったんですよね。

私が大学院で教育学の授業を受けていたとき、「北海道と沖縄は意外と肥満児が多い。家の中で放置されてジャンクフードばっかり食べてて動かないから。」とデータを見せてもらって愕然としました。それも格差でしょ。地域格差。絶対あっちゃいけないですけどあるんですよ。

そのような地域格差を少しでもなくすためには、地域が子どもたちにそういう機会をあげないと。先生だけでは無理なんですよね、忙しすぎて。親もやっぱり難しい。地域が主催していく必要がある、そういうようなことをもっともっと北海道中に広がっていくといいなと。

運動神経を良くするためには、経験を多くすれば良いと。たくさん経験させて、脳を活性化させる。目で見て耳で聞いたことを、脳で判断して、体を動かすという過程がスムーズにいくための最適な年齢、ゴールデンエイジが大体9歳から12歳でほぼ終了、と聞いて、この時期に徹底的にいろんな経験をさせてあげるっていうことを大事にしてますね。

今は狭い家の中で核家族で、部屋が狭いから動けないでしょ。昔は家が広かったからお手伝いで薪を運んだり、田植えをしたり、子どもの頃に生活の中で体を動かせたんですけど、今は全くできないので、身体を動かす大切さ、そういうようなことが知識として必要になってきちゃったんですよね。だけどこの知識は教えてくれるところが少ないから。

 

ーそうですよね。なかなか教える場所がないですもんね。そういった部分で鶴羽さんが格差をなくすことを目的に活動されているんですね。
鶴羽
そうなんです。習い事をしたり少年団に入ってる子たちは逸れていいけど、そうじゃない子どもたちの受け皿をつくりたいっていうのが、始めたきっかけなんですよね。

 

ーもう一つの研修についての取り組みを教えてください。
鶴羽:そもそも研修を始めたのは、企業から新入社員研修を頼まれたのがきっかけでした。
そのときはビジネスマナーという型を教える研修が中心でした。例えば名刺の渡し方とか、上座下座の案内だったりとか。でも、だんだんこの10年くらいは、コミュニケーション研修を依頼されることが多くなりました。お客様と話せない。不特定多数の人と話せない。上司とコミュニケーションが図れない。気がついたら辞めてた。っていう。
最近は「辞めます」もLINEで来るような時代になってしまったんだなと思うんですけど、それはもったいなくて。きちんと小中高まで行けたのに、なぜ社会人でつまづくのかって。2019年の発表では、ニートと呼ばれる仕事を持たない人たちが、15歳から34歳までに71万人もいる。

ビジネスマナー、社会で通用する最低限の型っていうのがあって、それを身につけないといけない。例えばなんですけど、お客様に「あぁそうすか」「はぁ」とか言って、「お前ばかにしてるのか!」って怒り出して、それでコミュニケーションアウトですよね。もしかしたら会社に大損害を与えるかもしれない。だけど本人には全く悪気がない。そんな意識もない。言葉遣いが身についていないとなかなか厳しいですよね。本人も辛いし、電話応対もうまくいかなかったら怒られる。報告連絡相談もそう。誤解されないために、生きていくための武器として型が必要なんですけど、逆に言えば、その型さえちゃんと身につければ対応ができるんですよね。その型がなぜ必要なのかってところを最初に伝えてあげると、みなさんやらされてる研修から、必要なんだって取りに来てくれる。やっぱりそのスイッチが研修で必要だなってことがわかりました。

また、研修するにしても、みんな同じ通り一辺倒の研修だとダメなんですよね。なぜかというと、みんな性格が違うでしょ?同じことを言ったとしても受け止め方が違うでしょ?最近はこの個性を、自分自身を大事に、自信を持ってもらいたいということで、タイプ別コミュニケーションを中心に伝えてるんですよね。

例えば、自分で企画をしたりとか発言するのが嫌いな人っていっぱいいるんですよね。ちゃんと与えられたことを正確にやりたいって人もいっぱいいます。だとしたらちゃんと指示を与えなきゃいけない。でも、元気で明るいユーモアタイプのリーダーって、説明がざっくりでわからないんですよ。こういう曖昧な指示をする上司にはちゃんと聞いて、どこからどこまでやればいいのかってことを聞き取る力が必要なんです。
「正確にやりたい」「きちんとやりたい」「人に喜んでもらいたい」タイプが人によって違うんですよね。そういう人たちにどういう指示を与えるとモチベーションが上がるのか。人は違って当たり前ですから、自分のスキルはこれなんだ、強みはこれなんだってことをちゃんとわかったうえで、伸ばしながらチームとして調和をとっていくのが大切です。それを企業のなかでも、お仕事のなかでもやっていくっていう研修に、2、3年前からシフトしていくようになったんですよね。

 

ー何もわからない状態のままやってても働きがいも何もないですよね。わからないから色々言われて辞めてしまって、また次のところへ行っても同じことを繰り返して。だから鶴羽さんのやってることって働きがいにつながるし、会社の成長にも必要なことですよね。

鶴羽:社会で生きていく、大人になっていくところでつまづく人ってとても多い。そこをどうにかしないと。良い国にするためには、そこで働く人たちが夢を持って、希望を持って、自分に自信を持って、その力で役に立っていきたいって思える人材教育が大事だと思っていますので、そこのお役に立ちたいって気持ちで研修をしています。

一般的な型だけではなくて、本人がどこに困ってるのかとか、どういう個性でどういう能力を活かせばいいんだろうって、一人ひとりを見て伸ばしていくっていうような研修も絶対必要だと思っていて。他の研修講師と決定的に違うのは、型じゃない、個々を伸ばしていくところに重きを置いているっていうことじゃないかなって自分で思ってます。


 

子どもたちの格差をなくすためには、学校の先生や親だけではなく、地域の人々が支えることが大切だと教えてくれました。
企業研修では、魂を込めてその人のために”良くなってほしい”と尽力されています。
共感された方は、「地域の人」として鶴羽様と一緒に子どもたちを支えませんか?
また、社員教育にお悩みの企業様はぜひ鶴羽様へ研修をご依頼してみてはいかがでしょうか。

岡田・鶴羽様

株式会社オフィス鶴羽
代表取締役
鶴羽 佳子
札幌市中央区南11条西23丁目2-1-111
MAIL:yoshikotsuruha@gmail.com
公式ブログ:https://ameblo.jp/tsuruhayoshiko/