Interview
取材動画
北海道札幌市 特定非営利活動法人SDGs村・北海道【取組事例インタビュー】
〈NorthSDGsMediaでは北海道札幌市の企業様のSDGsに関する取り組み事例を紹介しています。〉
【SDGs取組事例】特定非営利活動法人SDGs村・北海道【環境】
ペットボトルの国内完全循環を目指す宮澤様。
株式会社テックサプライが日本環境設計株式会社のブリング・ボトル・コンソーシアム(BBC)北海道事務局を担当しており現在企業・行政と協働して活動しています。鈴木北海道知事や小泉環境大臣との会談ご経験も。
過去には古着からバイオ燃料を作る「10万着で飛ばそう!JALバイオジェット燃料フライト」の活動にも参加されてきました。
そのような経験を経て、宮澤様が新しく立ち上げたNPO法人での取り組みについて伺いました。
―まずは活動内容について教えてください。
宮澤:2021年の1月に特定非営利活動法人SDGs村・北海道を立ち上げ、現在ペットボトルの回収をBBC北海道事務局に協力しながら活動しているところです。
従来のリサイクルの形ではなく、ペットボトルからペットボトル、それがずっと循環していく文化(燃やさない、捨てない)を作りたいと思っています。
―宮澤さんが目指している仕組みは、従来のものとはどう違うんでしょうか?
宮澤:今までは、ペットボトルからペットボトルへのリサイクルは10%くらいしかなかったんです。これを2030年までに50%に引き上げることを目指しています。
ペットボトルって私たち何十年も前から集めてるじゃないですか。けど、あれが札幌市だと卵パックとかになるんですよ。で、卵パックになってその後どうなるのかというと、結局燃やすしかないようなんです。
でも、日本環境設計が開発したケミカルリサイクルは、循環する技術がずっと続くんですよ。
なので病院や学校、ホテルなどの事業者が直接、そこで出たペットボトルを完全リサイクルの方に出すという形を作りたくて、そういった事業者様に声をかけてペットボトルを集めてくる動きを1月から始めています。
一般的に我々がリサイクルに出せるペットボトルは汚れの程度によってランク分けされるんです。それって結果的に手間と経費がかかるので、まずは綺麗な状態で集めようということをみんなに知ってもらいたいです。
回収されたペットボトルは細かく破砕して、20トンくらいの四角い箱のようなものにして海外に売られています。ところが海外に行ってどうなるかというと、もう使えないからということで不法投棄もあって、いろいろな問題があります。
―それが海洋プラスチックゴミにつながってしまいますよね。
宮澤:我々がせっかくリサイクルと思ってやっているものがそういう流れでいっちゃうと不法投棄されて海洋プラスチックゴミになったり、そこの地域の自然を荒らしたりするんですね。プラスチックって放っておくと有害物質が出るので。
そうじゃないためには、我々が飲んだり捨てるものをこういう技術で再生できるってことをわかった上で出すような文化を作らないとダメだなって思って。その回収ボックスもたとえば大学に置いてもらったりとか。
それをやりながら、回収拠点の株式会社テックサプライが圧縮・フレークにして、川崎の工場(日本環境設計)に送って、それがまた再生ボトルになる。この再生ボトルになったものがまた北海道に戻ってきたら完全なサーキュラーエコノミー(循環型経済)。
今のところこれ以上のサーキュラーエコノミーってないと思います。
本州の大手飲料メーカーはそこを目指しています。自分たちのボトルがまた自分たちのボトルになって、販売する流れを作る。
道内の飲料メーカーにも話を持っていってるので、これを道内の企業でも連携してやっていく形を目指してます。
―それを代表して道内企業を回っているのが宮澤さんなんですね。
宮澤:NPO法人として、株式会社テックサプライのBBC北海道事務局に協力していきたいと思います。
この活動はどのような目的を持って行っているのでしょうか?
宮澤:結局目的は何かって言ったら、子どもたちの未来のため。私たちはいいですよ、大体やりたいことやって仕事も楽しくやって、北海道の豊かな自然を享受して。でもずっと同じような生活してたら絶対成り立たないんですよね。
いつも言ってたのは、「7世代先」をイメージしていかないといけないということ。じゃないとみんな本気にならないんですよね。環境とか、今日別に困らないから。
子どもたちの未来のために循環型社会を作りたい。それがモチベーションになっています。
―SDGs村・北海道の今後の展望を教えてください。
宮澤:すでにポリエステルの洋服やエコバッグが商品化されています。それまでは10とか20とか一部材料を入れて作っていたんですよ。それが去年から、特に今年は100%ポリエステルの古着から作った真新しいTシャツが生まれてて。
だからまず入り口の材料を集めることの協力をメインにしています。その製品をうちでも仕入れてこのスタジオやECサイトで販売もすると。
販売することでやっと循環だから。そこをやりたいですね。
「“ボトルtoボトル”という言葉を知ってもらうだけですごく意味がある」とお話されていた宮澤様。
脱プラへの関心が高まる今日、完全リサイクル可能な回収ボックスの設置などに興味のある事業者様は、ぜひ宮澤様へお問い合わせください。
特定非営利活動法人SDGs村・北海道
理事長
宮澤 洋子
札幌市中央区南1条西24丁目1-11 LEAD ビル3階
コミュニティースペースpono
TEL:090-2811-7378
MAIL:sdgshokkaido.miyazawa@gmail.com