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Interview

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特別編!福岡県北九州市 魚町銀天街【取組事例インタビュー】

〈NorthSDGsMediaでは北海道札幌市の企業様のSDGsに関する取り組み事例を紹介しています。〉

【SDGs取組事例】魚町銀天街【商店街】

第三回ジャパンSDGsアワード内閣総理大臣賞、および第一回SDGsクリエイティブアワードゴールド賞を受賞した、福岡県北九州市小倉北区にある魚町銀天街の松本倫明様にお話を伺いました。
サラリーマン時代、お世話になった魚町銀天街の方々へ恩返しの意味も込めて、商店街の文化を活かした様々な取り組みを行っています。
今回は、そんな取り組みの戦略や舞台裏についてお話を伺いました。


魚町銀天商店街ポスター

ーまずは魚町銀天街が活動を始めたきっかけを教えてください。

松本:2018年に北九州市がSDGsモデル都市として認定されて、「SDGsに街として取り組みます」ということだったので、それを受けて2018年8月に「SDGs商店街宣言」をしました。
魚町商店街新興組合理事長の梯(カケハシ)さんという方が、非常に「よかよか精神」(※九州の言葉で「いいよいいよ」よいう意味)を持っていて、「良いことをするのに理由はいらないよね」とかっこいいことを言っていて。
商店街がSDGs宣言をしたこと自体が当時は非常に画期的で話題になったんです。「何でだろう?」って。別に理由はなかったんですよね。ただ面白そうだからです。

宣言の後、最初にやった取り組みとしては、3分間のムービーを作ったんです。
それが実はすごい戦略的な取り組みで、商店街の方々にここに登場してもらうことによって”よくわからないSDGsなんちゃら”というものに興味を持ってもらうという作戦だったんですよ。自分が映像に出てるとなると少し興味が湧くじゃないですか。「SDGsってようわからんけど、なんか自分も関わってるらしい」と。

それこそ2019年に札幌で表彰式があった第1回SDGsクリエイティブアワードで日本一をいただきまして。そういった賞をもらったので、そこからちょっと火がついたっていう。ここがSDGs活動のスタートですね。

ーその後はどのような取り組みをされたんですか?

松本その後は、月に一回、とにかく何でもいいからSDGsのイベントをやろうという「コツコツ戦略」を立てました。
最初にやったのが、受賞を記念して「SDGs movie cafe」というのをコミュニティスペース「よんご」で6日間やりまして、朝から晩までYoutubeに上がってた世界中のSDGsの啓蒙ビデオを流しながら、フェアトレードコーヒーを飲んでおしゃべりをするというのをやったんですよ。
この時、僕が映像を選んで流す係で世界中のSDGsの映像を見させていただいたので、一気に知識がつきました。何を聞かれても答えられるようになりましたね。

ー他にはどのようなイベントを行いましたか?

松本:例えばSDGsバルでは、廃棄野菜について勉強しようということで、魚町銀天街の八百屋さんの方に来ていただいて、「廃棄野菜を使ったレストランが魚町銀天街にいっぱいできたらいいよね」というビジョンを立てて話し合いました。
そうするためにはどうしたらいいんだろう?ということで講師を招いて、僕らも一緒に勉強する。市民の人を招いて、僕らが上から啓蒙するとか教えるとかじゃなくて、一緒に僕らも学ぶスタンスはずっと変えてないです。こういうことをすると地元の大学の教授とか市役所の人とかも「面白そうやね」と言って勉強会に来てくれたんですよね。

バルの2回目では、防災をテーマに北九州市の防災担当の方を招いて、お酒をみんなで飲みながら保存食をつまみにお酒を飲むということをしました。これは多分学校も企業も行政もできない、商店街らしいところですね。
この時に掲げたビジョンは、「災害が起きた時に商店街として何かできないかな」ということを探りたいということでした。

―こういった取り組みを行うという情報発信はどのようにされているんですか?行政の方や大学の方を招くにあたって、どういったお声がけをしているのか教えてください。

松本:PRについては正直そんなにやってないんですよ。チラシ作って商店街のFacebookやインスタでPRして、あとは周囲の人に声がけをするって感じですね。
実はそこもポイントで、このイベントをやるにあたってのハードルをめちゃくちゃ下げてるんですよ。何かしようってなった時に満員にならないことの方が多いです。1人でも2人でも来たらいいじゃん、という感覚でやってます。

イベントをやろうと言っても、計画して予算をつけてってなると、やること自体が難しくなるし、やる人自体が負荷がかかってそれこそ持続性がなくなってしまうので。人が来なくても、別にそれを批判することもないです。また次何かやろうね、くらいの感じです。
取り組みに対するハードルをいかに下げていくか、というのも全体のプロデュースのキモですね。

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