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Interview

取材動画

北海道千歳市 WORLD SQUARE【取組事例インタビュー】

〈NorthSDGsMediaでは北海道札幌市の企業様のSDGsに関する取り組み事例を紹介しています。〉

【SDGs取組事例】WORLD SQUARE【製造・販売】

命に携わっているという意識で資源を無駄にしない取り組みをされている前田様。
駆除されるエゾシカの皮や骨などをできるだけ廃棄せずに、価値ある製品として生まれ変わらせています。
その取り組みについてお話を伺いました。


 

ーまずは事業内容についてお聞かせください。
前田:主に革製品の製造販売ですね。それ以外にも最近多いのは、リメイクだったりリペア、直して使っていくっていう需要がすごく増えているので、そっちの方が最近は多かったりしますね。

 

ーSDGsに関する取り組みを詳しく教えてください。
前田:うちもSDGsを知ったのは、恥ずかしながらそんなに古いわけではないんですね。実際に日々革製品作ってるので、命に携わってるようなものなんですよね。なので、できるだけそれを無駄にしたくない、命を無駄にしたくないなってところで色々調べていったところ、やっぱりエゾシカがすごく増えていて、年間10万頭近くは駆除されているんですね。

それを知ったときに、できるだけ命を無駄にしない。森を守るために駆除しなければいけないんですけど、仕方ないこととはいえ、命をいただいていることになるので、それを無駄にしないで、資源にして使っていくっていうのをやっぱり意識していますよね。

 

ーその革製品というのが主にエゾシカの皮なんですね。
前田:そうですね。基本的には牛革が市場的に一番多いんですけど、最近はエゾシカだったり、使えるものをできるだけ無駄にしないように使うような形をとっていますね。
角だったりとか、あとは骨だったり筋とか、とにかく使えない部分って考えていくと全然なくて。皮はもちろん製品にできますし、それ以外にも骨だとか腱っていうのは全てペットフードだったりに利用していけるので、本当に無駄がない。最後の最後まで無駄にしないで使えるっていうところですよね。

 

ー皮は例えばお財布とかベルトとかそういった製品になるのでしょうか?
前田
:そうですね。シカ皮の特徴ってあって、すごく柔らかいんですね。すごく柔らかいのに、それでいてものすごく丈夫。なのでもういろんなものに加工して使うことができるので。

実は皮を剥いで下処理をするっていうのが、ものすごく手間がかかるんですね。すごく足の早い肉なので、その場ですぐに捌いてってやらないといけないので、皮は結構疎かになって傷だらけになってしまって捨てられることが多かったんですよね。それをできるだけ綺麗に、なんとか材料にできないかってことで、今地元の猟友会さんなんかとも連携して活動しているんですね。

 

ー猟友会さんとはどういった活動をされているんですか?
前田:今そこもちょっと死活問題になってまして、全国的になんですけど、猟友会さんの高齢化がものすごく進んでしまって、若手がいないんですね。それによって、駆除頭数をキープするのも大変ですし、最後まで全てをするっていうのが大変なんです。山から鹿をばらして全て持ってきて、それを全て捌く。そして最後に焼却処理をするんですけど、そこまでをご年配のハンターさんたちが賄ってるんですよね。なのでそのお手伝いを少しでもできないかってことで、なるべくそういうのは参加するようにしています。

 

ーこの取り組みに対する想いや信念はどのようなものでしょうか?
前田:SDGsのことを色々調べるようになると、やっぱりいろんなことで合致してくるじゃないですか。この項目にはこれが当てはまってくるなっていうので、やっぱりうちの方で意識しているのは、12番の「つくる責任つかう責任」っていうものが一番最初に来て、できるだけ無駄を省く。

今までだと捨ててしまう皮って実は結構あるんですね。綺麗な部分しかやっぱり使わないでロスの部分は捨ててしまう。だからそういうものをもう一度資源として使えないか、そこに価値を見出すことによって、本当に無駄なゴミがなくなる。で、ゴミに価値ができて、初めてそこでゴミっていう概念がなくなると思うんですよね。
それが一番大切なところなのかなと思うので。

あとはやっぱり「森の豊かさを守る」っていうことですよね。そこの部分も合致してくるのはやっぱり強いので、そこは意識していますね。

 

ー取り組みの今後の展望を教えてください。
前田:もうすでに活動は始めているんですけど、今までは僕個人で想いを形にしたりとか行動に移したりしていたんですけど、経営者だったり製造に携わるような人でも、そういう方ってすごく意識の高い方が多いんですね。SDGsのことはもちろんご存知ですし、そういうことを話したときに、「それは本当に大切で面白いことだ」って。

で、今現在動いているところだと、SDGsを意識して活動されている美容師さんがいるんですけど、その方が僕のことを知ってくれて、「自分たちにも何かそういう活動できないですかね」って言われたときに、じゃあこの捨てられてしまうようなエゾシカの皮を使って製品を作りましょうっていうので、美容師さんが使うシザーケースだったりを今作っています。

なので、多くの多ジャンルの業種の方に絡んでいくことによって一つのサークルができると思うんですよね。その環(わ)をどこまで大きくできるか。っていうのに今力を入れているところですね。

 


製品の売上は「IOMANTE(イオマンテ)」というプロジェクト活動によって主に動物愛護団体へ寄付されています。
まだまだSDGsの認知度が高くない今日、多ジャンルの方とのサークルをつくり上げていく活動に期待されます。
ご興味のある方は、ぜひ前田様と繋がり、活動の幅を広げてみませんか?

岡田・前田

WORLD SQUARE
代表取締役
前田 和郎
千歳市住吉3丁目14−7
TEL:0123-26-1723
MAIL:ch215870@fsinet.or.jp
HP:https://worldsquare.handcrafted.jp/