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Interview

取材動画

宮崎県宮崎市 美空間コーディネート協会【取組事例インタビュー】

〈NorthSDGsMediaでは北海道札幌市の企業様のSDGsに関する取り組み事例を紹介しています。〉

【SDGs取組事例】美空間コーディネート協会【販売・コンサルティング】

皆さんはラッピングを「過剰包装」と感じたことはありますか?
過剰包装にならない、けれど華やかさを失わない”蜜ろうラップ”で、「目標12.つくる責任つかう責任」に取り組む四本代表へお話を伺いました。


 

ー美空間コーディネート協会の事業内容を教えてください。
四本:「彩りがつくる素敵な場所」をコンセプトに、彩りあふれる空間づくりのお手伝いをしています。
空間というと、お部屋の中やディスプレイだったり、食空間だったりたくさんあるんですけど、いろんな分野で”私たちがつくるインテリアを置いたら彩りがある素敵な空間が生まれる”というものになればいいなということで、インテリアの商品開発、ディスプレイや提案のお手伝い、あとは人材育成を主にやっています。

interior

ーSDGsの取り組み内容を教えてください。
四本:コーディネートと言われると「結びつくのかな?」とよく思われるんですけど、私含めメンバーみんなで商品をつくったりするので、まず”つくる責任つかう責任”に取り組んでいます。そのなかで、PL保険(生産物賠償責任保険)に加入しまして、その証明と説明、協会のロゴが一緒に入ったタグをつけて販売することで、”お客様により安心安全を提供しているんだ”という気持ちと、「安心して使ってください」っていう一つの目印にしています。

また、元々ラッピングを主でやっていたんですけど、ラッピングってどうしても開けたら捨ててしまうものなので、「過剰に包装しなくてもいいんじゃないかな」って言われることが近年多いんですよね。そこで、本来なら捨てられてしまう包装が、何回も繰り返し使えたらいいなと思って、今巷で結構流行っている蜜ろうラップを取り入れてラッピングをしています。

蜜ろうラップ ラッピング

あとは、元々私が障がい者施設に勤めていて障がい者の方に携わる機会が多かったので、「質の高い教育を障がい者の方にも受けてほしいな」っていうのもあるので、スキルの向上や働きがいがある仕事内容を提供できるように今後取り組んでいけたらいいなという想いで取り組んでいます。


ー蜜ろうとはどのようなものなのでしょうか?

四本:そもそも蜜ろうがないとハチの巣ってできなくて、蜜ろうはミツバチが体内に入れて蝋腺という器官から分泌してできる天然のキャンドル素材、ワックスのことです。
蜜ろうラップのキットに使っている15cm〜35cmくらいのシートがあるんですけど、大体それには34匹のミツバチから集められた蜂蜜が使われています。

蜜ろうラップキット

ーなるほど、貴重なものなんですね。
四本
:そうですね。一般的にキャンドルの素材として使われる蝋燭の素材はパラフィンって呼ばれるもので、石油系なので簡単かつ安価につくることができるんですけど、やっぱり蜜ろうってなると蜂蜜の分泌液なのでそんなに安くもないですし、大量生産もできません。けど、蜂蜜が、そして蜜ろうが無駄になることはないのでそれを使っています。

ー蜜ろうを取り入れようと思ったきっかけは何だったんですか?
四本:今でこそSDGsで色々と言われていますけど、私が初めて「サスティナブル」って言葉を聞いたのは、2019年ころに台湾の企業様とお仕事をしたときでした。そのときは本当に意味がわからなくて、「持続可能って何だろう?」って思っていました。
でも、そこからずっとその単語だけは残ってて、今年になってSDGsでどこもがゴールを目指して取り組むってなったときに「私この単語知ってるな」ってなって、色々調べて蜜ろうラップにたどり着きました。

今ラッピングって無地なものが多いと思うんですよね。どこに行っても柄はあんまり入ってなくてくすみ系のカラーで統一されているものが多くて。でも、柄があるラッピングが欲しいなっていう話を花屋さんとしてたら、「最近こんなのがオランダで流行ってるんだって」という話を聞いて調べたところ、やっぱりオランダでも蜜ろうラップは安いものではなくてあまりラッピングには取り入れていないことを知りました。
できるのであれば安く作れないかなと思って探したんですけど、自分で作るのが一番簡単で安くなるということがわかったので、提携している蜂蜜農家さんに「こういうことをやりたい」とお話をして、安く材料を提供していただきました。

ラッピング

そしてラッピングに取り入れてみたら、蝋でコーティングされているから水も弾くし嫌なものもくっつかない。柔らかい素材じゃないので形もつきやすくリボンもしやすいというのがあって、意外とラッピングに適していることがわかりました。
永久的ではないですけど、本来一回で捨てられるものが何回も繰り返し使えるならいいなって思って、未来づくりのきっかけになったらいいなって思って始めたのがきっかけです。

 

ー取り組みの目的や想い、今後の展望を教えてください。
四本
:想いとしては、やっぱり日本って「おもてなし」の国で、昔から包装には重要性を持たれている地域があるんですけど、今このSDGsってなると過剰包装なんじゃないか?とか、そんな豪華にするのはどうなの?と私も仕事をしていて言われることが多いんですよね。
でも繰り返し使えるんだったら、私は別にちょっと豪華にしても過剰包装にはならないんじゃないかって思っていて。やっぱり繰り返し使えるっていうのが一番魅力なのかなっていうのと、やっぱり「おもてなし」とかラッピングっていうのは、もらった瞬間にわっとなるのが本来のプレゼントの姿なのかなって思うので、相手が笑顔になれるものを作れたらいいなっていうのが一番の目的です。
なので今後もそういった活動を続けていきたいなと思います。

ー「おもてなし」。日本の文化を大事にしつつ、持続可能に取り入れていくという素敵な取り組みですね。

 


これまで当たり前とされていたものに疑問を抱くきっかけとなるSDGsですが、ラッピングという文化もまたそのうちの一つ。
国や地域の文化を維持しつつサスティナブルなものへシフトさせていくことは、これからも多くの商品やサービスにおいて課題となります。
美空間コーディネート協会では「蜜ろうクラフト講座」なども開催されていますので、ご興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。

12つくる責任つかう責任 四本代表

美空間コーディネート協会
運営統括責任者 四本 嘉奈子
宮崎県宮崎市大塚町宮田3005番地9
TEL:050-5375-1716
MAIL:bikukan.association@gmail.com