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Interview

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特別編!福岡県北九州市 魚町銀天街【取組事例インタビュー】

ーそれでは、ジャパンSDGsアワード受賞のエピソードを聞かせてください。

松本:このようなイベントなどを毎月コツコツやってて、それを最終的に評価されたのがジャパンSDGsアワードということになりますね。商店街が取り組んでいることが物珍しいというのがあって。
「いろんなことやってるよね」「誰1人取り残さない形でイベントやってるよね」「フードロスの削減もやってるよね」とか、そういうところを評価していただきました。

この時、僕は受賞の速報のチラシを作っていたんですけど、この時もムービーを制作した時と同じように、チラシの中に商店街の人の写真をたくさん入れました。自分が載ってることによって、自分も賞をもらったような感じになるじゃないですか。これも巻き込み技術の一つです。
これがFacebookだと、その人をタグ付けして「受賞しました」と投稿すると、まるでその人が受賞したみたいになる。そうすると少し自分ごとになるかなと。こういうところも細かく気を遣ってやってます。

ーなぜ商店街がSDGsをやるのか、その目的は何ですか?

松本:まず一つ、僕がいつも商店街の人たちに話してるのは、「商店街って小さな地球ですよね。今までは自分たちの儲けを追求しててよかったけど、これからはそうじゃないですよね。みんなで手と手を繋いでやんなきゃいけない時代がもうきてるし、すでに滅亡を迎えてる小さい地球が日本中にいっぱいあるわけですよ。北九州市内にも実際に組合がなくなりましたみたいなところもあるし。だからそう考えたら、自分のことだけでなくて、周りのことや全体のことを考えながらやんないと、この小さい地球、商店街は潰れてしまいますよ」ということですね。

あとは、SDGsは子孫に良い地球を残そうというのをメインにしてると思うんですけど、商店街もいろんな地域地域の歴史から背景とかからその地域独特の文化があるんですね。その文化があるから今がある。「それをもっと膨らましたり後輩に引き継いでいきましょう」「これもSDGsと商店街とすごく一緒ですよね」と言っています。

それと多様性。実は商品が面白いとか、店主がちょっと変わった人とか、他にないような専門性の高い店とかがあって、それが存在できるのが商店街の良さです。

そして、SDGsの1番のキモだと思うんですけど、全員が全員意識高い人だけでやろうというのは理想で、そんなのはあり得ないと。だから、意識低いままでSDGs達成できたらいいですよねと。SDGsってよくわからないけど、結果やってるならいいんじゃないか、と。じゃないとみんな参加できないじゃないですか。

ー先ほど仰っていた”ハードル”ですね。ちなみに、行政や他団体との連携はどのように行っているのでしょうか?

松本:それぞれ勝手にやりましょうということでやってます。行政とか教育団体はSDGsを広めることをやっているんですけど、我々は実践を主に、いかに商売に結びつけるか、ということを役割としてやってます。

もし誰かが魚町銀天街の中で僕らが知らないところでSDGs活動をやってたとして、それに対して「俺聞いてない」とか「やるなら一緒にやりましょうよ」とか言わないようにしてます。そういうふうに同時多発的に知らないところで物事が起こるのもSDGs的な感じかなと。それを報告しろよ、とか勝手にやるなよ、とか言うと持続性がないので。

いろんな企業さんが一緒に何かしましょうと言ってくれてるんで、そこは商店街のジャンルを超えて連携していきたいなと思ってます。

ー取り組みを行うにあたって参考にしたものなどはありますか?

松本:元々魚町にあった文化って、昭和26年に初めてアーケードを作ったりとか、新しいものに対するよかよか文化とか、若者を応援する文化があるので、そこはすごく参考に大事にして、僕はそれを広めようとしています。
僕がこの魚町からいなくなっても続くとか、頑張る人がいなくても、頑張らない人でも続くような事業を目指してます。

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