Interview
取材動画
特別編!福岡県北九州市 魚町銀天街【取組事例インタビュー】
ーこれからの取り組みとして考えていることがあれば教えてください。
松本:いろんな活動を頑張ってやって来たので、お陰様でもっとSDGsやろうという人が増えたり、街をSDGs一色にしましょうという人が現れて、それはそれで素晴らしいんですけど、僕はその辺を俯瞰で見て、あんまり頑張りすぎないようにしようと思ってやってます。そうしないと、誰一人取り残さないっていうのが取り残されてしまうので。
あとはジャンルを広げるということで、もっともっと商店街として取り組めていない分野があるはずなので、そこアンテナを高くしていろんなことに取り組んで行きたいなという感じですね。
ーESD活動(持続可能な開発のための教育)について教えてください。
松本:実は魚町銀天街の中に市役所が運営するESDセンターがあって、そこで大学生とかがいろんな活動をされてるんですね。なので役割分担ということで、そこに対して銀天街として深く突っ込んでESDをやることはあまりないです。
ただ、魚町銀天街SDGsプロジェクトメンバーと一緒にイベント考えたり実施したりとかはやってます。これは後継者育成ということで、僕がいつこの街から出て行っても魚町のプロジェクトが終わらないように常々言ってます。これが大きな意味でのESD活動かなと思ってます。
ー商店街の中では元々仲の良い方もいたと思うんですけど、活動を通してどのようにコミュニティを広げていったんでしょうか?
松本:基本みんな知り合いなので、コミュニティが広がったというよりも、コミュニティが深まりました。普段お互い忙しくて挨拶するくらいでなかなか深い話ってできないんですけど、ちゃんと話してみるとみんな面白いんですよ。
実際にSDGsをテーマに商店主を招いてインタビューの動画を何本か作っていると、一見普通の店主が実はものすごい背景があって、すごい活動を実はしていたとか、そういうことを話す機会にはなったんですよ。だからただの知り合いから少し深い、「この人は若い時にこういうことがあったから今こういうことに取り組んでるんだな」とか、「その人が抱えている持病があって、その持病で学んだことを商売に活かしている」とか。そういうことを今までは知りようがなかったんですけど、SDGs活動することによってコミュニティが深まったっていう表現の方が合ってるかなと思います。
ー全体を通して特に印象に残ったのが「ハードルを下げる」という部分でした。ここをしっかりと意識して考えていったら、みんなが参加できる持続可能な取り組みができるのかなと思いました。
松本:1人が大きな成果を出すのではなくて、小さな成果を全員が出すことが一番かなと。受け売りでよく言うんですけど、1人の75億歩よりも、75億人一歩の方が効果あるよね、と。
1億人くらいの人しか頑張ってなくて、残りの74億人が意識がなかったら、その1億人がいかに賢くても素晴らしい人でも多分無理なんですよね。だから社内とかそういう団体で取り組むときに、全員参加っていうのは大前提だと思うんですよ。
全員に「やろうぜ」って言って、ほんとに小さなことでもいいからそれを成果として認めてあげてください。あとはそれをどう継続するかですね。
まあでも実際は難しいでよねこれ。普通は成果を出せって言うじゃないですか。イベントやったら満員にしろとか。30人のイベントだったけど二人しかきませんでした、って言ったら大体怒られるじゃないですか。そこを怒らずにできるのが商店街の良さかなって思います。
「商店街だから何番の目標に取り組もう」ではなく、「商店街なんだけど、こういうことはできないのかな」という考えで様々な取り組みをコツコツと続けた結果、第三回ジャパンSDGsアワード内閣総理大臣賞へとつながりました。
企業や団体がSDGsに取り組むうえで、改めて大切なことに気づくきっかけとなったのではないでしょうか。
魚町商店街新興組合
福岡県北九州市小倉北区魚町3-1-15 魚町会館2F
TEL:093-521-6801
https://uomachi.or.jp/
松本倫明商店
代表 松本 倫明
TEL:090-3662-9162
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【画像出典】
魚町銀天街SDGsプロジェクト https://sdgs.uomachi.or.jp/
外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/award3_win_efforts.pdf