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Interview

取材動画

北海道札幌市 山西 言枝【取組事例インタビュー】

〈NorthSDGsMediaでは北海道札幌市の企業様のSDGsに関する取り組み事例を紹介しています。〉

【SDGs取組事例】山西 言枝【農業】

管理栄養士としての活動を通して、第一次産業を支援している山西様。
料理教室やワークショップでは、地球や環境に優しい食材つくる農家の方の認知度向上に貢献されています。
どのような想いで活動をされているのかお話を伺いました。


―活動内容を教えてください。
山西:私はフリーで管理栄養士をしていまして、料理教室もしていますし、味噌やしょうゆを作るワークショップを開いたりしています。その中で、無農薬の野菜だけを使った料理教室・ワークショップもしています。味噌も手作りで作ると、大豆と塩と米の麹だけで作れるんですよね。茹でた大豆を潰して米麹と塩と混ぜるだけで、1年置いたら味噌ができるんですよ。1年熟成させる必要はありますけど、作り方的には簡単ですし、大豆を作ってる人もお米を作ってる人も知り合いにいるので、直接購入してワークショップで使ったりしています。

 

―第一次産業の方との繋がりについてお聞かせください。
山西
:5年ほど前に、2年連続で生産者さんと消費者さんをつなげるイベントをやってまして、それをきっかけに卵農家さんとか、お米とか野菜を作っている一次産業の農家さんと知り合ったのが一番最初ですね。私が携わらせていただいているのは、農薬を使わないとか、肥料を使わないとか、環境に優しい農家さんが中心です。

農家さんの知り合いで、環境調査の仕事をしていた方がいるんですけど、豪雨で川が氾濫した時とかに鮭が何万匹も死んでしまっている状態になったことがあったらしいんです。その原因を調べた時に、上流からすごい量の農薬が流れていたからだっていうのがわかって。やっぱり農薬とかを使いすぎると環境にも負荷がかかるんですよね。そういう現実もあって、環境に負荷をかけない方法にシフトチェンジしている農家さんもたくさんいらっしゃいます。

化学肥料を使わない農家さんは、個人のお客さんとやりとりしている方が多いんです。そのためには個人の事業を利用していただくために消費者の皆さんに知ってもらう努力もしていく必要がありますし、なんなら配達もしなきゃいけないみたいな感じで農家以外のこともいっぱいやらなきゃいけなくて。自分で全てのことをやるので、それこそ個人事業主というか。農作物をちゃんと作るということをやりながらもいろんなことを自分で打ち出していかなきゃいけないっていうのもあるんですよね。ただ、みんなそこまで手が回らなくて大変だったりするので、そういうところの手助けもしたいなと思っています。

 

―農薬や肥料を使わなくてもしっかりとした作物って育つんでしょうか?
山西
できますね。肥料とかを使うと、土ってどんどん固くなって痩せていくんですよね。なので、痩せた土地を次の年も農作物が生産できる状態にするために、また次の年も肥料を入れなきゃいけない。肥料を入れたら土が肥えすぎて、いろんな害虫とか草も生えてきちゃうから、農薬とか除草剤をかけなきゃいけないってなるんです。どんどんプラスしてく感じになっちゃうんですよね。農薬や肥料を使わないと、養分として使うことができる土の分量がだんだん増えていく、土壌が改善されていくという話を聞いて、私も今なお勉強させてもらっている最中ですが色んな可能性を秘めているんです。なので、農薬や肥料を過剰に使い過ぎないという選択もあるのではないかと思っています。

 

―農家さん同士のパートナーシップはあるんでしょうか?
山西:環境に配慮した農家さんってそれぞれに強い想いがある方が多いんですよね。集団でというよりもそれぞれが個で頑張っていて。そこに私みたいな食には携わってるけど生産者ではない人間が、生産者さんと消費者の間に入れるような食の専門分野の管理栄養士として発信して、中立の立場でものを言うっていうのが大事なのかなってすごい思っていますね。意識を持って農業に携わっている農家さんの中には、将来を担う子供たちに環境にも身体にも優しい作物を食べて欲しいという願いを持っている方はたくさんいらっしゃいます。

やっぱり環境問題とか、「農薬は悪」とか「添加物は悪」とかって言っちゃうと、生産者さんと直接やりとりを経験したことのないような、一般消費者の皆さんにとってみるとすごくハードルが高いというか。だけど私みたいな人が仲介に入ることで、話もしやすいと思うんです。私を介して農家さんのような一次産業の方と直接の関わり合いができるきっかけが作れたらと思います。お互いの橋渡しになればいいかなと思って活動している感じですかね。本当は団体にしたいんですけどね(笑)なかなか難しいです。

 

―山西さんの活動の信念、理念をお聞かせください。
山西
私たちが教育されてきた時代って、そんなに食育が手厚くなくて。食べ物のことってそんなに重要視されてないというか。添加物のこととかもやっぱり知る機会がないというか。実は今もそんなに変わってなくて、私たちの年代が子育てしてるので、親世代にあまりわかっていない人もすごく多いんですよね。なので全ての活動において食べ物のことを知るきっかけになってくれればいいなと思ってますね。たとえば、ワークショップでお味噌の作り方を伝えながら、発酵食品を摂ることによって、腸内環境が整ってその人が元気になる免疫力のバランスが取れるよってことも伝えられるといいのかなとか。

あまり押し付けたいわけではないんです。ただ選択肢の一つとしてあるのとないのとじゃ違う。「いいからこれを選びなさい」っていう押し付けではなくて、ふとした時に「あの時そういえばああ言われてたな」って何かのきっかけでまた思い出してくれたらいいなと。無農薬の野菜を作っている農家さんを紹介するのも、その種を蒔く存在としていられたらなという想いでやっています。

 


 

管理栄養士としての立場から、本当に体にいいものを知るきっかけづくりについてお話しいただきました。
有機栽培の農家さんを広めることで、食育の選択肢を増やすという考え方は生産者と消費者の双方に価値のある活動だと感じました。
みなさんもぜひお話を聞いてみてはいかがでしょうか?

山西様とNSM岡田

管理栄養士
山西 言枝
mail:kotoe.koni0705@gmail.com