SDGsの目標に優先順位はある?
SDGsには17の目標がありますが、優先して取り組むべきとされている目標があります。
では、どの目標が優先なのか。
その前にまずは、SDGsで持続可能な開発のために掲げている「5つのP」をおさらいします。
①People(人間)=貧しさを解決し、健康に
②Prosperity(繁栄)=経済的に豊かで、安心して暮らせる世界に
③Planet(地球)=自然と共存して、地球の環境を守る
④Peace(平和)=争いのない平和を知ることから実現
⑤Partnership(パートナーシップ)=みんなが協力し合う
日本では、SDGs推進本部を設置し、SDGs実施指針を策定しました。そして、この5つのPに対応した「8つの優先課題」が示されています。8つの優先課題は、SDGsの17の目標、169のターゲットうち、日本として特に力を入れるべきものを示すためのものです。
それでは、2016年に策定、2019年12月に改定されたSDGs実施指針を見てみましょう。
People(人間)
①あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
②健康・長寿の達成
Prosperity(繁栄)
③成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
④持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
Planet(地球)
⑤省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
⑥生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
Peace(平和)
⑦平和と安全・安心社会の実現
Partnership(パートナーシップ)
⑧SDGs実施推進の体制と手段
2019年に改定された理由としては、日本のジェンダーギャップ指数が153カ国中121位と先進国の中で最低レベルであることや、国内で増加している洪水や地震などの自然災害への対策を踏まえたものであると考えられます。
これら8つの優先課題に対して推進される具体的な施策は、毎年改定されている「SDGsアクションプラン」に記載されています。
当サイトでは、8つの中でも特に「Partnership(パートナーシップ)=⑧SDGs実施推進の体制と手段」に焦点を当てて紹介します。
まず、「⑧SDGs実施推進の体制と手段」に関する取り組みの大枠としては、以下の3点が挙げられます。
(1)SDGs達成に向けては、SDGs推進本部の下、関係府省庁が一体となって、国内外のあらゆる分野の関係者と連携し、国民・市民一人ひとりがSDGsを自分事として捉えて取組を進めていくことが重要。市民社会や有識者、民間企業、国際機関等の関係者が集まるSDGs推進円卓会議を中心に、国内外のあらゆる関係者との連携を促進していくとともに、「ジャパンSDGsアワード」等の取組を通じて引き続きSDGsの広報・啓発にも取り組んでいく。
また、SDGsの推進状況を的確に測り、把握する努力を継続していく。
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(2)開発援助をめぐる環境が変化し、政府・開発機関・民間企業・NGOなどによる活動がそれぞれの得意分野を活かした多様なアプローチで途上国の開発に取り組む中、相互の連携を通じて、より大きな開発効果を上げることが期待される。民間資金を通じた資金調達を促進するとともに、ESG投資推進も通じ、民間企業のSDGs推進に向けた取組を後押ししていく。
(3)持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)等の議論に積極的に参加・貢献するとともに、「日メコンSDGsイニシアティブ」をはじめ、各国・機関との連携も通じて、SDGs達成に向けた取組を強化していく。
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☑️もっと詳しく 自然と人材豊富なメコン地域の永続的な繁栄を実現、および現世代だけでなく将来の世代のためにSDGsを実現することを目的としている |
「⑧SDGs実施推進の体制と手段」に関する主な取り組みは以上です。
次回からは、より具体的な取り組みを、
- 広報・啓発の推進
- 市民社会等との連携
- モニタリング
- 環境・社会・ガバナンス(ESG)投資の推進等
- SDGs達成のための革新的資金調達
- 途上国のSDGs達成に貢献する企業の支援
- 国際社会との連携
に分類してそれぞれ紹介していきます。
参照資料:SDGsアクションプラン2021〜コロナ禍からの「よりよい復興」と新たな時代への社会変革~