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ESG投資の7つのアプローチ

ESG

 

SDGsへの学びを深めていると、必ず出てくるのが「ESG投資」。

ESGとは、E=Environment(環境)、S=Social(社会)、G=Governance(企業統治)の頭文字を合わせた言葉です。

従来、投資家が投資対象となる企業を選定する際に重視してきたのは、売上高や利益などのいわゆる「財務情報」でした。
しかし、近年はESG、すなわち「非財務情報」も重視されるようになってきています。

たとえば、以下のような要素があげられます。
Environment(環境):地球温暖化対策など
Social(社会):ジェンダー平等など
Governance(企業統治):コンプライアンスなど

現在の世界の投資の3分の1はESG投資になっており、日本でもESG投資が急増しています。
日本のESG投資残高は、2014年時点で約8,400億円でしたが、2016年には約57兆円、2018年には232兆円といったスピードです。

そこで、本記事では、ESG投資の代表的な7つのアプローチをご紹介します。

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世界のESG投資額の統計を集計している国際団体のGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)は、ESG投資を以下の7つに分類しています。

①ネガティブスクリーニング

1920年代に米国のキリスト教系財団から始まった最も歴史の古い手法。今では欧州でも広く普及している。武器、ギャンブル、たばこ、アルコール、原子力発電、ポルノなど、倫理的でないと定義される特定セクターの企業を投資先から除外する戦略。

②ポジティブスクリーニング

1990年代に欧州で始まった手法。同種の業界の中でESG関連の評価が最も高い企業に投資する戦略。ESG考慮の高い企業は中長期的に業績が高くなるという発想に基づく。

③規範に基づくスクリーニング

2000年代に北欧で始まった比較的新しい手法。ESG分野での国際基準に照らし合わせ、その基準をクリアしていない企業を投資先リストから除外する手法。ポジティブスクリーニングに比べ投資ユニバースを大きくすることができると評価する専門家もいる。

④ESGインテグレーション型

最も広く普及しつつある手法。投資先選定の過程で、従来考慮してきた財務情報だけでなく非財務情報も含めて分析をする戦略。

⑤サステナビリティテーマ投資型

サステナビリティを全面に謳ったファンドへの投資。サステナビリティ関連企業やプロジェクト(特に再生可能エネルギー、持続可能な農業等)に対する投資が有名。

⑥インパクト投資型

社会・環境に貢献する技術やサービスを提供する企業に対して行う投資。比較的小規模の非上場企業への投資が多いため、このタイプのファンドの運用はベンチャーキャピタルが行っていることも多い。最近では個人投資家からも資金提供を募ることも増えてきた。

⑦エンゲージメント・議決権行使型

株主として企業に対してESGに関する案件に積極的に働きかける投資手法。株主総会での議決権行使、日常的な経営者へのエンゲージメント、情報開示要求などを通じて投資先企業に対してESGへの配慮を迫る。

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以上が、ESG投資の代表的な7つのアプローチです。
いずれも積極的に非財務情報を活用し、市場平均よりも大きなリターンを目指しています。

<引用・参考>
株式会社ニューラル サステナビリティ研究所.”【金融】世界と日本のESG投資「GSIR 2020」の統計。世界のESG投資割合は35.9%に伸長”.Sustainable Japan .2021/7/15.https://sustainablejapan.jp/2021/07/15/gsir-gsia-2020/64065

バウンド.図解即戦力SDGsの考え方と取り組みがしっかりわかる教科書.株式会社技術評論社,2020,136-143

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