若者の消費傾向とSDGsを結びつける
・若者の影響力
BtoCの企業において、若者の表皮が大きく影響するのはいうまでもありません。
10代から20代の世代は生まれた時からインターネットがあり、学生時代にスマートフォンのシェアが急激に広まった情報世代です。そのため情報を自分で集めて仲間内で共有することに慣れています。
SNSが顕著な例ですが、エンタメ性のある商品やサービスがあると一気に話題が広まり、TVなどのメディアがその「バズり」を紹介することもあります。
若者に受け入れられるかが商品・サービスヒットの明暗を分ける今の日本で、SDGsを絡めた商品・サービスをヒットさせるにはどうしたらいいのでしょうか。
・若者の消費行動を決定づけるものとは
日経デジタル デンシバSpotlightによると若者の消費行動を決定づけているのは「自分ごと意識」と「つながり意識」だと言います。前者は何事においても自分の価値観を大切にしながら行動しようとする意識、後者は自分がよいと思うものを友人や家族と共有しようとする意識のことです。エコや環境問題に取り組むモノ・コトに対しても自分にとって価値がないと思えばもっと安価で自分好みの方を選ぶということでしょう。
逆に言えば、若者が価値があると判断したものは多少高くても購入し、情報を拡散するということになります。
(出典:日経デジタルデンシバSpotlight 買わない若者たち、実態は?「自分の物差し」基準に https://style.nikkei.com/article/DGXMZO56623010Q0A310C2EAC000/)
・自分ごと意識に訴えかけた例
無印良品は2020年7月1日から「自分で詰める水」というサービスを開始しました。
プラスチックごみ削減を目的としてマイボトルを持参した人が無料で利用できる給水機を設置するというものです。メディアでも報道され話題になりました。
給水機の設置に合わせて、専用の空ボトルや水にすぐ溶ける粉末のお茶の販売も実施しており、関連購買を促しています。また、給水を日常生活に楽しく取り入れるためのツールとして「水」アプリの配信も開始されています。自分の給水量や給水することで削減できるペットボトルの廃棄量・CO2削減量を可視化できるものです。
消費者にとって無料の給水サービスというのはデメリットがなく、なおかつ環境への貢献度が数字でわかるという点で習慣化へのきっかけになります。企業にとってもアピール効果、販売促進活動として役立っているでしょう。
(出典:無印良品 https://www.muji.com/jp/ja/stories/food/520171)
SDGsの活動をアピールするだけではなく、消費者に直接結びつけることでwin-winの関係を築いていくことができそうです。SDGsを若者にとって価値のあるモノ・コトにできるかどうかが、単なる企業PRから脱却するための糸口かもしれません。
〈NorthSDGsMediaでは札幌の企業様のSDGsに関する取り組み事例を紹介しています。〉