サーキュラー・エコノミー×靴
今年の1月に原宿にオープンした、アメリカで話題のシューズブランド
【オールバーズ】ってご存知ですか?
オールバーズは環境に配慮した商品を作っており例えば、靴紐はペットボトルのポリエステルでリサイクル品を再利用していたり、二酸化炭素の増減に影響を与えない「カーボンニュートラル」を達成したりと、今注目を浴びているシューズブランドなのです!
今日は、
・オールバーズとは?
・再生利用・カーボンニュートラル
・循環型経済
・最後に
この4つのトピックについてお話をしていきます。
オールバーズとは?
冒頭で紹介しました、【オールバーズ】ですが、タイム誌から「世界一快適な靴」というお墨付きをもらったブランドで、通気性や防臭性といった動物の毛を活かし、足に馴染みやすく作られています。
ちなみにちょっと小ネタですが、元アメリカ大統領のバラク・オバマや俳優のレオナルド・ディカプリオなどが愛用しているそうです!
再生利用・カーボンニュートラル
オールバーズのシューズは通気性や防臭性に優れているだけではなく、靴紐にペットボトルから作られたポリエステルを再利用したり、サトウキビから採取したエタノールやユーカリの木の幹を使ったりと、環境に配慮したシューズを作っています。
パッケージの箱や梱包に関しては90%以上が再生ダンボールだそうです!
さらに企業として2019年に運搬も含めたすべての工程で、二酸化炭素の増減に影響を与えない「カーボンニュートラル」を達成しました。
※カーボンニュートラルとは・・・地球上の炭素(カーボン)の総量に変動をきたさない、二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロになるような、エネルギー利用のあり方やシステムの社会実装
ただ単に、通気性や防臭性に優れているだけではなく、こういったゴミとなる物を再利用、人工物だけではなく自然由来の物を使ってシューズを作っている。これが世界一快適な靴と言われる一番の要因ではないでしょうか。
ちなみにオールバーズ以外にも、フランスのスニーカーブランド ヴェジャも
オールバーズ同様に天然ゴムやオーガニックコットンなど、自然由来の素材を使用しているそうですね!
循環型経済
梱包の際に再生ダンボールを90%以上採用したり、靴紐をペットボトルのリサイクル品で作ったりと、今まではゴミとされていた物を、新たな形として商品の一部とする。まさに循環型経済ですね!
ちょっとここで循環型経済についてお話しようと思います。
循環型経済、別名【サーキュラー・エコノミー】と呼ばれています。
では、サーキュラー・エコノミーとは?
サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、従来の資源を(採掘して、)(作って、)(捨てる)というリニア(直線)型経済システムのなかで活用されることなく「廃棄」されていた製品や原材料などを新たな「資源」と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済の仕組みのことを指します。
サーキュラー・エコノミーは従来からあるReduce(減らす)・Reuse(再利用する)・Recycle(リサイクル)の3Rの考え方とは異なっています。そもそもの原材料調達・製品デザインの段階から回収や資源の再利用を前提としており、廃棄ゼロを目指しているというのが、従来の3Rとの違いです。
持続可能な成長を実現するための新たな経済モデルとして世界中で注目を集めており、EU(欧州連合)では2015年12月に「サーキュラーエコノミーパッケージ」が採択されるなど、経済成長政策の中心に据えられています。
国際的なサーキュラー・エコノミー推進機関として有名なエレン・マッカーサー財団という機関があるのですが、そのエレン・マッカーサー財団は、サーキュラー・エコノミーの3原則として、下記を挙げています。
- 自然のシステムを再生(Regenerate natural systems)
有限な資源ストックを制御し、再生可能な資源フローの中で収支を合わせることにより、自然資本を保存・増加させる。 - 製品と原材料を捨てずに使い続ける(Keep products and materials in use)
技術面、生物面の両方において製品や部品、素材を常に最大限に利用可能な範囲で循環させることで資源からの生産を最適化する。 - ゴミ・汚染を出さない設計(Design out waste and pollution)負の外部性を明らかにし、排除する設計にすることによってシステムの効率性を高める。
では我が日本のサーキュラー・エコノミーについての動きはどうかというと、
2000年6月2日に日本における循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みとなる法律「循環型社会形成推進基本法」が制定され、日本の廃棄物・リサイクル政策の基盤が確立されました。その後の2018年6月19日「第四次循環型社会形成推進基本計画」が閣議決定されました。
第4次の基本計画では、環境的側面・経済的側面・社会的側面の統合的な向上が掲げられたうえで、重要な方向性として地域循環共生圏形成による地域活性化、ライフサイクル全体での徹底的な資源循環、適正処理の更なる推進と環境再生)などが示され、その実現に向けた2025年までの施策が示されています。さらに2019年6月には環境省が循環型経済を目指す「CEチャレンジ」を発足し、下記の目標を掲げてサーキュラー・エコノミーの推進に先進的に取り組んでいるアップル、全国清涼飲料連合会、セブン&アイホールディングスの3社を表彰しました。
・アップル:「将来的に再生可能な素材とリサイクルされた素材のみを使って製品を作る」との目標を掲げる。
・全国清涼飲料連合会:2018年11月に「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」を発表、2030年度までにPETボトルの100%有効利用を目指す。
・セブン&アイホールディングス:2019年5月に「GREEN CHALLENGE 2050」を発表、2030年目標としてプラスチック製レジ袋の使用量ゼロや食品廃棄物のリサイクル率70%を掲げる。
このようにサーキュラー・エコノミーは世界規模で取り組まれていることであり、
SDGsとも深く関わり合っています。
最後に
世界的に環境に配慮した動きが見られ、世の中に売られている物がサーキュラー・エコノミーに基づいた商品が多くなってきています。
私たち消費者も低価格でトレンドのファストファッションから、環境意識のサステナブルファッションへと意識の変化が進んでいます。
しかし今、私たちの星地球を取り巻く環境は地球にとって喜ばしくはない状態です。
異常気象や地球温暖化で南極の氷が解ることによる水面の上昇、二酸化炭素やゴミ(海洋プラスチック)問題に森林破壊。
暮らしの発展は決して悪い事ではありません。私たちの暮らしを良くするために、必要な事もあります。
しかしその一方で、地球規模でそのつけが回ってきているのかもしれません。
経済が良くなる、自分たちの暮らしが良くなる、自分だけ良ければいいや。では済まなくなってきているのが現状なのです。
地球の未来、子供達の未来は今この時代を生きる私たちの責任です。
私たちは未来の為に現在をどのように過ごすのか、変えて行くのかを真剣に考えていかなければならないということです。
ひとりひとりが意識と行動を変えていかなければならない状況なのではないでしょうか。
些細なことでもいいです、小さなことをやり続けていくというのが大切なのではないでしょうか。そうです。持続可能なことを始めてみるのです。
その持続可能なことをひとりがやり、またひとりがやり、そのうち1人が10人、10人が50人、50人が100人、100人が1000人と、きっと増えていくはずです。
未来の地球の為に。未来の子供の為に。