1. HOME
  2. 新着情報
  3. コロナ禍のSDGs「テレワーク」

コロナ禍のSDGs「テレワーク」

テレワーク×SDGsサムネ

 

 

新型コロナウイルスが流行する以前から、働き方改革の推進等により、「テレワーク」の導入が徐々に普及されていました。

テレワークを導入することで、主に以下のSDGsの目標へ貢献することができます。
本記事では、これらの目標が具体的にどのようにSDGsと関係するのかを紹介していきます。

また、テレワークの現状についても紹介していきます。

 

「SDGs目標4.質の高い教育をみんなに」との関係

4質の高い教育をみんなに

こちらの目標には、このようなターゲットが設定されています。


4.2
2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び 就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。

 テレワークを実施することで、親子が共に過ごす時間が増え、乳幼児の発達・ケア・就学前教育へのアクセスがより質の高いものになります。


「SDGs目標5.ジェンダー平等を実現しよう」との関係

5ジェンダー平等を実現しよう

職場における女性の活躍が推進される今日、男性だけではなく、出産等のある女性が十分な能力を発揮し、長く働くことができる仕組みづくりが求められています。
また、出産だけではなく、家事育児は女性がメインとなって行っている家庭は未だ珍しくありません。

テレワークの導入だけではなく、男性の育児休暇取得の推進などを、あらゆる制度を企業が積極的に取り入れることが、仕事と家庭におけるジェンダー平等を実現します。


「SDGs目標8.働きがいも経済成長も」との関係

8働きがいも経済成長も

テレワークの導入で最も連想されるのがこの「8.働きがいも経済成長も」という目標ではないでしょうか。
出産・育児・病気・介護など、従業員のあらゆるライフステージに配慮した対応を企業が行うことで、働きがいの維持や向上、生産性の向上、事業の成長が認められたという企業も少なくありません。

働く=身体的・心理的負担が伴うもの、という概念から、「働きがいのある人間らしい仕事」を目指す企業や従業員が増加しています。


「SDGs目標10.人や国の不平等をなくそう」との関係

10人や国の不平等をなくそう

特にコロナ禍では非正規労働者の解雇や採用の見送り、求人の停止により、働きたくても働けない人々が増加しています。
他にも身体的・精神的なハンデ、年齢、居住地など、様々な理由によって毎日出社して働くことが困難な事情を抱えている人がたくさんいます。
テレワークは、こうした事情により働けないという問題の改善につながります。


「SDGs目標11.住み続けられるまちづくりを」との関係

11住み続けられるまちづくりを

職場の所在地に縛られず、どこにいても働くことができるテレワーク。居住地の問題だけではなく、災害時や緊急時でもテレワークへ切り替えることができれば、ある程度の社会機能を維持することができます。

企業によっては、どのようにテレワークを導入するか、またテレワークを導入することで何がどう変わるかによって、上記以外の目標にも貢献することができるでしょう。

 

テレワークのデメリット

テレワークは様々なSDGsの目標へ貢献することができますが、決して万能ではありません。実際にテレワークを実施した企業や労働者から、様々な課題や困りごとが挙がっています。

国土交通省(2020)「平成31年度(令和元年度)テレワーク人口実態調査」によると、テレワーク(在宅勤務)を実施した人のうち、実施するうえで何らかの問題があったとした人の割合は72.2%という高い割合が示されました。

会社でないと閲覧・参照できない資料やデータなどがあった・・・26.8%
同僚や上司などとの連絡・意思疎通に苦労した・・・9.7%
会社のテレワーク制度が明確でない(自己判断による実施)ため、やりづらかった・・・9.6%
営業・取引才等との連絡・意思疎通に苦労した・・・9.2%
自宅に仕事に専念できる物理的環境(個室・間仕切りによるスペースや机・椅子など)がなく、仕事に集中できなかった・・・7.0%
自宅では仕事に専念できる状況になく(家事や育児を優先)、仕事に集中できなかった・・・4.8%
セキュリティ対策に不安があった・・・3.1%
その他の問題があった・・・2.0%
特に問題はなかった・・・27.8%

 

テレワーク実施企業の割合(従業員規模・業種別)

また、業種や従業員規模を考えるとそもそもテレワークが困難であるというケースも多くあります。

東京商工会議所が公開した「新型コロナウイルス感染症への対応に関するアンケート」調査の結果によると、テレワークを実施している企業は26.0%でした(調査機関:2020年3月13日~31日)。また、実施検討中の企業は19.5%。
およそ半数の企業がテレワークを実施していない、実施の予定がないと回答しています。

テレワーク実施割合

従業員規模別に見てみると、従業員規模の大きさに伴ってテレワーク実施率が高いことがわかります。

50人未満・・・14.4%
50人以上300人未満・・・28.2%
300人以上・・・57.1%

また業種別に見てみると、特に実施率が高いのは貿易業で60.0%、最も実施が困難なのは交通運輸/物流/倉庫業で16.4%でした。


テレワーク・デイズの取り組み

「テレワーク・デイズ」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
テレワーク・デイズとは、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府が、東京都および関係団体と連携し、柔軟な働き方を実現するテレワークの全国的な推進を行う取り組みです。

元々は2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京2020大会」という)の交通混緩和への寄与も兼ねていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により東京2020大会の延期が決定しました。

しかし新しい生活様式を定着させ、感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立を持続的に可能とすることが必要であることから、引き続き柔軟な働き方を実現するテレワークの全国的な推進を行う必要があると判断し、期間を限定せず継続したテレワーク推進の呼びかけ、また情報提供等の強化としてテレワーク・デイズへの取り組みを行うこととなりました。

 

テレワーク・デイズの主なポイント

具体的には、下記のような取り組みを行っています。

  • 「テレワーク・デイズ」のWEBサイトにおいて、テレワーク関連情報を引き続き発信
    – 各府省のテレワーク支援策の掲載・周知
    – 民間事業者等が行うテレワーク導入支援策の情報提供・周知
    – テレワーク導入推進のためのWEBコンテンツ掲載
    – テレワーク実施にあたってのセキュリティ上の留意事項の掲載・周知
    – テレワーク実施企業等を登録できる仕組みの構築 等
  • 各府省におけるテレワーク支援策の推進
  • テレワーク実施企業のコロナ時の取組事例等の紹介 等

 

テレワーク・デイズへ参加することのメリット

テレワーク・デイズの公式WEBサイトにて、テレワーク・デイズ実践団体、および支援団体を募集しています。

テレワークを導入することのメリットは分かっていても、なかなか実施に踏み出せない企業も多いかと思いますが、テレワーク・デイズの機会をうまく活用することで、有識者からのサポートを受けながらテレワークの試験導入を行うことが可能です。
また、テレワーク・デイズから実践団体への取材も行われ、公式WEBサイトにて紹介されることから、SDGsや働き方改革に取り組む企業PRとしても活用できます。

現在のWEBサイトはテレワーク・デイズ2017~2020のものとなっていますが、新たに決定された東京2020大会開催期間中(2021年7月23日〜8月8日)にも、これまでと同じ目的でテレワーク制度の導入が推奨されると思われます。

 

テレワークの課題が多く挙がる中でも、新しい生活様式、withコロナという言葉が飛び交う今日、いかに工夫してテレワークを取り入れていくか、今後も企業には求められていくでしょう。

CATEGORY