サーキュラーエコノミーで“無駄”を“富”へ
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従来のリニアエコノミー(一方通行型経済)では、化石燃料やリサイクルが困難な金属・鉱物など、環境に悪影響をもたらす生産・消費が当たり前でした。
一方で、サーキュラーエコノミーのアプローチとは、資源を可能な限り長い期間、生産的に利用し続けるものです。
ビジネスにおける「無駄」とは、廃棄物のことだけを表しているわけではありません。
本記事では、従来の限りある資源への依存による「無駄」を4つに分類し、2030年までの経済成長の可能性について紹介します。
1.資源の「無駄」
継続的に再生できず消費されるだけのもので、使用後は永久的に消滅する原材料やエネルギーの無駄を指します。
これらの資源から、再生可能エネルギー、バイオマス燃料、化学製品、原材料の活用へ移行することによって、1兆7000億ドルの成長が可能とされています。
2.製品のライフサイクル価値の「無駄」
人為的に使用期間が短縮される、あるいは他者のニーズがあるにもかかわらず廃棄される製品価値を指します。
このような製品を再販、再生産、修繕、修理、長寿命化、資産の最適化サービスなどを促進することによって、9000億ドルの成長が可能とされています。
3.キャパシティの「無駄」
未使用の状態で不必要に放置された製品や性能を指します。例えば、自動車は一般的な製品寿命の10%しか使用されていないと言われています。
このような製品をシェア、共同所有、共同利用することによって、6000億ドルの成長が可能とされています。
このビジネスソリューションは潜在的成長力が最も高い市場といわれており、現在も中規模な市場が形成され始めています。
4.潜在価値の「無駄」
廃棄される製品の中には、回収・再利用ができるにもかかわらず、それが行われない部品や原材料、エネルギーがあります。
リサイクルやアップサイクル、部品再利用の拡大やエネルギーの回収によって、1兆3000億ドルの成長が可能とされています。
しかし、これらの数字はあくまで試算であり、実際に達成できるものであるかどうかは確かではありません。
企業が戦略転換を進めるためには、まずサーキュラーエコノミーが自社に与える影響を分析していく必要があります。
(出典:新装版 サーキュラー・エコノミー デジタル時代の成長戦略)