サーキュラーエコノミーによる価値向上のための5つの機能④
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⇨サーキュラーエコノミーによる価値向上のための5つの機能②はこちら
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サーキュラーエコノミーの5つのビジネスモデル導入を成功させるために重要な要素の1つとして、「組織的能力」が挙げられます。
本記事では、サーキュラーエコノミーのビジネスモデル導入を成し遂げるにあたって、組織的能力で備えるべき5つの領域のうち、「継続的な顧客エンゲージメント(販売と製品利用)」について紹介します。
④継続的な顧客エンゲージメント(販売と製品利用)
企業でサーキュラーエコノミーを実践するには、製品を一度販売して終わるのではなく、顧客との信頼の構築、責任ある製品の提供、アフターサービス、寿命を迎えた製品の回収、といったサイクルを通じて継続的な関係を築くことが必要です。
顧客との関係は、企業の成功や成長を左右する重要な要素となります。
そこで企業は、顧客を中心とした5つの取り組みを行う必要があります。
1.要求事項の理解
顧客フィードバック、ソーシャルメディア、市場データなどを用いて、製品の利用や使用済み製品の回収における障害や機会を明確にするとともに、真の顧客ニーズや使用状況を理解する必要があります。
2.利用段階におけるイノベーション
製品寿命の延長と回収・リサイクルのビジネスモデルで重要となるのが、新たな製品・サービスを開発し市場に出すための取り組みです。顧客への提供価値に注意を払い、効果的な方法で関係性を保つとともに、利用段階で収益化するサービスを見出すことが重要です。
3.コネクションとデータアクセスの強化
顧客コミュニティと協業体制の構築は、企業が製品ライフサイクルを通して顧客との関係を維持する上で必要不可欠です。これにより、データやユーザー行動のフィードバックが入手できるため、今後の製品・サービス開発に活かすことができます。
4.部品管理の最適化
業種によっては当てはまらない場合もありますが、特に製造工程を持つ企業は、新たなサービス展開にあたり、どの新品や改良部品を提供するか、どのように欠陥の検知やフィールドサービスのコストを削減するか、といった戦略を確立する必要があります。
5.チャネル・パートナーの効果的管理
アフターサービスを提供するとともに、新たなビジネスモデルと回収チェーンに参画してもらうために、チャネル・パートナー(小売業者・販売業者・卸業者)との連携を強化する必要があります。
また、シェアリングサービスによるユーザー間でのやりとりなど、顧客が一部のタスクを積極的に行うよう促す方法を見つけることも含まれます。
これら5つの取り組みと併せて、営業、マーケティング、サービスなど、各分野のプロが持つスキルを向上させることも大切です。
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