サーキュラーエコノミーの5つのビジネスモデル
これまで企業に成功をもたらしてきたリニアエコノミー(一方通行型経済)。
これに代替する経済成長政策として、世界ではサーキュラーエコノミー(循環型経済)の導入が推進・実践されています。
本記事では、企業の新たな収益の創出とリスクの軽減をもたらす、サーキュラーエコノミーの5つのビジネスモデルについて紹介します。
⇨サーキュラーエコノミーの概要についてはこちら
1.サーキュラー型サプライチェーン
企業は、原材料の供給量が少ない場合や調達リスクが高い場合には、「より多くの資金を投じる」か、「代替素材を探す」必要が出てきます。サーキュラー型サプライチェーンでは、そのような原材料に関わるコストを削減し、調達の安定を実現するために100%再生し続ける原材料や生分解性のある原材料を導入します。
2.資源回収・リサイクル
企業は、寿命を迎えた製品を回収し、そこから価値のある素材や部品、エネルギーを取り出して再利用します。また、製造過程で生じる廃棄物や副産物を再利用することもあります。
このように、本来は廃棄物とされていたあらゆるものを他の用途に活用するため、適切に回収し、資源に戻すリサイクルを行います。
3.製品寿命の延長
消費者は、たとえまだ使用できるモノであったとしても、不要となったら廃棄します。製品寿命の延長では、これらの製品を回収し、修理やアップグレードを行い再販することで、製品の保守、改善、あるいは新たな価値を付与し、可能な限り製品寿命を延長します。
4.シェアリングプラットフォーム
保有している製品を他の人と共有、貸し借りします。
先進国では、一般家庭にある製品の最大80%が、月に一度しか使用されていないというデータがあります。これらの使用されていない製品をシェアリングプラットフォームで活用することによって、製品の資源価値を向上させます。
5.サービスとしての製品
消費者がモノを必要なときに、必要な分だけ利用する、いわゆる従量課金による支払いをします。これにより、製品は量よりも質、処分のしやすさよりも耐久性が重んじられるようになります。
これら5つのビジネスモデルの導入事例は過去10年間で著しく増加しており、企業はサーキュラービジネスモデルへのシフトが急務となっています。
サーキュラーエコノミーは、事業収益改善や競争優位性の獲得など、事業運営において成功要因の一つとなるでしょう。